手彩色銅版画作品紹介




「 グリーンマン 」
画寸 25.0 x 30.0cm 額寸 53.0 x 60.0 cm

この小さな教会は、約1000年前に建てられました。森に埋もれて永い間人々に忘れられていました。
今は礼拝には使われていませんが修復されて、結婚式や音楽会など特別な催しに人気のある場所になっています。
グリーンマンは、中世の教会の柱や壁に彫刻されるモチーフです。
それは森の中に精霊として住んでいて、自然界を喜びで満たしてくれています。



「 ワンチーム 」
画寸 21.0 x 17.5cm 額寸 46.0 x 42.0 cm

イギリス人はクリケットというスポーツが大好きです。
多くのチームが各地域にあり、この「ドッグ・ボディ・イレブン」という変な名前のチームには、私の友人がたくさん所属しています。
試合の後には、決まってパーティーを楽しみます。



「 思い出の桟橋 」
画寸 25.0 x 30.0cm 額寸 53.0 x 60.0 cm

ケント州の東部の海辺の町、ブロードステアーズの桟橋で、6歳の私は初めて魚釣りを経験しました。
このドーバー海峡に面した町は、家族連れで休日はいつも賑やかです。
この思い出の桟橋は、美しい小さな港を今も荒波から守っていました。



「 ノーフォークの幸 」
画寸 25.0 x 30.0cm 額寸 53.0 x 60.0 cm

イギリスの最東端に位置するノーフォークは、魚介類、特にカニの名産地です。
この町へは私たち家族もよく遊びに行きます。
そしてコテージに泊まり、いつも海産物をたくさんいただきます。



「 村の仲間たち 」
画寸 36.0 x 44.0cm 額寸 63.0 x 71.0 cm

ハドロウはケント州の真ん中にある村で、創立50年を迎える農業大学が有名です。
この版画で描いたような授業が行われ、動物の飼育や庭のデザインなどで多くの学術賞を受賞しています。
この大学村を私はよく訪れます。ここは、友人である素晴らしい研究者たちから多くを学ばせてもらえる幸せな場所です。



「 美しきディール 」
画寸 25.0 x 30.0cm 額寸 53.0 x 60.0 cm

父の叔父にビル・スティールという人がいました。
この作品は、100年ほど前に彼が暮らしていた頃の、ドーバー海峡に面するディールの町を描きました。
大気汚染のひどいロンドンでの生活、その上空気の悪い木箱製造工場の労働は彼の健康を奪いました。
それでこの海辺の田舎町に引っ越してきたのでした。
彼はこの美しい町をこよなく愛し、兄弟である私の祖父は家族を連れてよく訪れたとのことです。
妻と私もこの町が大好きで、ネルソン提督と彼の愛人エマ・ハミルトンが宿泊したというロイヤルホテルをいつも利用します。



「 メードストン 1890 」
画寸 20.0 x 25.0cm 額寸 45.5 x 50.5cm

私の住んでいる村の近くにケント州の都メードストンがあります。私たち家族がこの州で暮らして今年でちょうど50年。これを記念して、特に貿易で栄えていた1890年ごろのメードストンの様子を想像しながら描きました。 当時はこの町を流れるメドウェイ川から世界にビールを輸出していて、テムズ川のロンドンとともにその多忙な貿易港は有名でした。私はこの町をたいへん誇りに思っています。


「 4つ星レストラン 」
画寸 9.5 x 12.0cm 額寸 34.0 x 36.0cm

高級レストランの目標は、いかにしてタイヤメーカーのミシュランから星の数をもらえるかでしょう。たしかに素晴らしい料理を出す店としてのバロメーターになっています。この男はフィッシュ&チップスの移動屋台を営んでいるようです。冗談と思いますが "ミシュランの4つ星" をもらったと宣伝しています。たしかに車には、星ではありませんがタイヤが4つついていますね。



「 プリント事始め 」
画寸 34.5 x 40.0cm 額寸 62.5x 70.5cm

イギリスの商人ウィリアム・カクストンは1480年にドイツ人グーテンベルグが発明した活版印刷技術を初めてイギリスに導入した人物です。
この作品は、その時の有名な印刷機をテーマにしたものです。
彼自身で翻訳し印刷した「トロイ史集成」は英語で書かれた出版本としては歴史的に初めてのものです。
私はこれとよく似た鉄製の200年前の印刷機を今でも使っています。
大量印刷を可能にした活版印刷技術は、ルターの宗教改革をはじめとしてその流れは現代のマスメディアの根幹となっています。



「キッパーランド」
画寸 10.0 x 20.0cm 額寸 33.5 x 42.5cm

イギリスのケント州の漁村は、キッパー(にしんの塩漬け燻製)の名産地として知られています。
この銅版画は私たちが食べるキッパーを作っているなじみの漁村です。
(注)手彩色無しの銅版画です。



「憩いの時」
画寸 21 x 17.5cm 額寸 46 x 42cm

老夫婦は愛犬とともに、午後の穏やかな日に昔の思い出を語りながらくつろいでいます。
もちろん妻ウェンディと私をイメージしています。



「カモン ミサーズ」
画寸 15 x 20cm 額寸 41 x 50.5cm

漁師さんが自分で釣った魚を浜辺で売っています。
新鮮な魚に人気があるので大行列になっているのかなと思いきや、どうも違うようです。
奥様(ミサーズ)が1尾の魚をめぐり、何やら細かい買い物の交渉をしているようです。
彼女のために皆待たされ、うんざりした様子です。
カモン、ミサーズ!(奥さん、早くしてよ!)と後ろから声がかかりました。




「イチイのトピアリー」
画寸 24.5 x 29.5cm 額寸 53 x 59.5cm

私の住んでいるケント地方の家々の庭は、「イギリスの庭」と呼ばれるほどその美しさは有名です。
そして庭のりんごの木は、「サイダー(リンゴ酒)」の原料になります。(日本のサイダーとは違いお酒です。)
ケント人のサイダー好きは大変なものです。
庭で「イチイの木」をトピアリーする植木職人は、パブでリンゴ酒を楽しむ時間を大切にする私の愛する友人です。
今夜のパブのリンゴ酒を楽しみに、トピアリー作業に励んでいます。



High Street (ハイストリート) 3部作

「High Street」とはイギリスのどこの町にでもあるメインの大通りのことです。私はかつてのロンドンの通りを懐かしく思い出します。昔はスーパーマーケットもチェーンストアもなく、通りには家族で経営している小さなお店が所狭しと並んでいました。お客さんは常連さんなので、好みもよく知っていてアドバイスも適切でした。もしこんな時代遅れの大通りがあれば、ぜひ私に教えてください。


「お茶の時間」



「今夜のごちそう」



「パブ モンキーおじさん」

3作品とも画寸 18.5 x 25cm 額寸 40 x 45cm

 

 

 

「オイスター」

画寸 24.5 x 29.5cm 額寸 53 x 59.5cm

 




 

「約束しよう」
画寸 50 x 59.5cm 額寸 76.5 x 85cm

2015 年、イギリスおよびアメリカ合衆国を含む多くの国々は、マグナ ・ カルタ(大憲章)の制定 800 周年を迎えます。はるか昔1200年代初頭、イングランドはジョンと呼ばれる非常に残酷な悪い王に治められていました。彼はフランスと幾度となく戦いましたが、すべて負け戦で広く領土を失った上に多額の戦費を国民に要求しました。おかげで彼は、失地公子(土地なし公子)と称されています。それでとうとうバロン(諸侯貴族)たちの王に対する不満が爆発し、彼らは教会の力を借りて王の権力を規則や法律で制限する「大憲章」(マグナ・カルタは大憲章のラテン語) を作成しました。1215年、テムズ川南岸のラニミード(Runnymede)の地で、彼らに屈したジョン王はそれに調印しました。「王と国民の関係はできるだけフェアなもの」という社会の公平性・平等性の理念を持つこの新しい憲章は、その後の英国の「権利請願」「人身保護律」といった重大な決定に影響を与えたのはもちろん、アメリカ合衆国憲法の背景になるなど世界の歴史の中で最も重要な文書の一つです。我々イギリス人が祖先を誇れる大切な証だと私は思います。


「リハーサルのゆうべ」
画寸 30 x 25cm 額寸 56 x 50cm



 

「パーフェクト ハーモニー」
画寸 24.5 x 29.5cm 額寸 53 x 59.5cm

このエッチングの題名「パーフェクト・ハーモニー(完璧なる調和音)」は、もちろん冗談です。このオーケストラは完璧どころか、明らかに不調和音で満ちた演奏するでしょう。しかし、彼らは演奏の良し悪しなどまったく問題にしていません。ただ、楽しく演奏ができればよいと思っています。たとえば小さな子たちが、学校で自分自身のためにオーケストラ演奏を楽しんでいるように。しばしば私の家族は、友人たちの楽団に参加して音楽演奏を楽しんでいます。私の娘ティリーと私はこの絵の中心でアコーデオンを奏でています。どうです、私たちの素晴らしい心地よい和音が聞こえてくるようでしょう?音楽は、国と国、人と人、すべての境界を取り除き「完璧なる調和音」をもたらすと私は信じています。



 

「実りの季節」
画寸 49.5 x 59.5cm 額寸 76.5 x 85cm


この作品は、英国ワイン協会の最新カタログの表紙として制作したものです。また、私の尊敬するこの会の協会長が退職されるにあたり、その功績の記念作品でもあります。「Fin des Vendanges」 はフランス語で「ブドウの収穫が終わる」を意味します。毎年この時期は、ブドウの摘み取り人はもちろんワインメーカーにとっても皆最高に盛り上がります。そして収穫の作業をへてやっとワインメーカーは、ワインの製造へ進む事ができます。フランス北東部に位置し美しい古い建物が残るアルザス地方は、フレンドリーな人々、優れた美味しいワイン、そしてすばらしい料理で有名です。収穫のよろこびにみんなが笑っている、それはそれは幸せな季節です。


「フォーユー、マダム」
画寸 15.5 x 16cm 額寸 39.5 x 42.5cm

ケント州の私たちの家から数マイルのところに、古い木造住宅の家並で有名な美しい村“スマーデン”(SMARDEN)があります。友人が食料品店を営むかたわら、その店の一角で画廊も併営しています。私の作品がこの絵の右側のギャラリーに展示されているのがお分かりになりますか?この村では、少年が旧式の自転車に跨って小包を配達しています。そして渡す時の挨拶の仕方も昔ながらにたいへん丁寧です。この小さな女の子にも「あなた宛てですよ、マダム」と呼びかけました。彼女は嬉しい驚きでいっぱいです。



 

「波止場のにぎわい」
画寸 25 x 30cm 額寸 53 x 59.5cm

「ウェールズ・ネクスト・ザ・シー」は、ノーフォークのエリザベス女王の別荘で知られるサンドリンガムから数マイル、イギリス東海岸のたいへん小さいですが有名な地域です。カニ、ロブスターそしてフィッシュ&チップスは特によく知られています。ここにはすばらしい画廊があるため親友もいます。この作品で描いたように、人々はフィッシュ&チップスを食べ、名所を観光し、楽しい時間を過ごしています。たぶん、女王が召し上がるロブスターもこの港で水揚げされたものでしょう。



「イヤー オブ ザ シープ Ⅱ」
画寸 21 x 17.5cm 額寸 46 x 42cm

干支シリーズ1997年作品のひつじ年(未年)バージョン「イヤー オブ ザ シープ」が絶版となりました。そのため新しくシープドッグ(牧羊犬)3匹を仲間に入れた作品を制作しました。干支シリーズの12作品はおかげさまで健在です。



< シェークスピア小劇場 4部作 >

「ウィンザーの陽気な女房たち」

「ロミオとジュリエット」

「真夏の夜の夢」

「劇作家の結婚」

4作品とも 画寸 15 x 9.5cm 額寸 39 x 36cm

<ウィンザーの陽気な女房たち>
1590年代に書かれたこの喜劇は、わずか14日間でシェークスピアが仕上げたということでも有名です。唯一の「現代劇」とも評され今の世にも通じる作品内容になっています。中央に大きく描いた調子のよいホラ吹き太っちょ騎士は、私の大好きな喜劇の主人公フォルスタッフです。この場面は、金に困っている彼が、後ろに描いたウィンザーの裕福な女房たちフォード夫人とページ夫人に全く同じ内容のラブレターを送り、二人を口説いてそれぞれから金を頂こうとしているところです。しかし恋文を受け取った女房たちはお互いに打ち明けてしまい、そして懲らしめてやろうと彼の誘いに乗ったふりをして…と話しは展開していきます。

<ロミオとジュリエット>
世界でもっとも知られた恋人たちでしょう。この絵は第2幕バルーコニー。「おお、ロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの?….」と独白するジュリエットに「僕はここにいるよ」と優しく返すロミオ。最高のラブストリーです。

<真夏の夜の夢>
みなさんもご存知のこの戯曲は、シェークスピアの最高傑作と私は思います。この絵は、妖精の魔法で頭をロバに変えられた織物職人のボトムに恋してしまったタイタニアを描きました。目覚めた時最初に見たものを好きになってしまう媚薬を目にぬられたタイタニアが、この奇妙な者「夢を紡ぐ人」と恋に落ちる場面です。

<劇作家の結婚>
以前シェークスピアの人生を8部作の手彩色銅板画で描いた「シェークスピア・シリーズ」を世に出しました。ただ、彼の結婚式の場面は描きませんでした。ここで、結婚の儀式を付け加えさせていただきます。



「ワイルドローバー」
画寸 15.5 x 17cm 額寸 39 x 42.5cm

BBCテレビの人気司会者ロブ・スミスは、私の良き友人です。白血病の少女に彼がインタビューする番組がありました。しかし結局彼女は17歳で短い生涯を閉じました。この事がきっかけで、白血病研究のための基金を創設することをロブは決心しました。そして、できるだけ多くの人々に基金設立の賛同を呼びかけるために、またそのための資金を集めるために、彼は自分の小さなヨット「ワイルドローバー」で彼自身が乗船しイギリスを周航するという壮大なイベントを実行しました。この時、彼はこのイベントを祝う版画制作を私に依頼してきました。甲板で舵を取る人物が彼です。



「サファリパーク」
画寸 36 x 44cm 額寸 62.5 x 70.5cm

イギリス南東部ケント州の海辺に有名なポートリンプニー・サファリパークがあります。私もこの動物パークの大のファンです。一般の動物園よりもたくさんの種類の動物が放し飼いにされ、のびのびと生きて繁殖できるようにアフリカなどに近い自然環境を備えています。大群で生活するゴリラの大家族は、特に世界的に有名です。



「りんごの散歩道」
画寸 49.5 x 59.5cm 額寸 76.5 x 85cm

素晴らしい菜園があり、そこではすべての野菜や果物が育っています。この家の前を散歩する人々は、これらの農作物を買うことができて幸運です。ほんのわずかは処分されますが、それは肥料として再利用できる家庭から出た廃棄物と一緒に農地に戻されます。そして再び肥料として農作物の増産に役立ちます。私の愛するすでに亡き祖母と祖父は、よく夢を語りました。彼らの話に出てきた夢の農村風景のひとつが、こんなシーンでした。


「ティーパーティー」
画寸 24.5 x 33.5cm 額寸 53 x 59.5cm

ああ何て愛らしいパーティーでしょう。テディベア、人形、おもちゃの犬、たくさんの色々なものが、この特別な午後に集まりました。私たちのかわいい孫オスカーは2羽のおもちゃのうさぎ“バブル”をつないだ赤いホイールの小さな黄色い自動車に乗っています。この2羽のうさぎは、どこへでもオスカーについていきます。特にティーパーティーには。


「浜辺の写真屋さん」
画寸 21 x 17.5cm 額寸 46 x 42cm

イギリス南東部の有名なリゾート地“イーストボーン”。この地の100年前の風物を私は想像して描きました。英国の大方の普通の人々にとっての当時の浜辺の休日は、今と同様にアイスクリームと記念写真とボート遊びの楽しさであふれていました。どうぞ楽しい休暇の記念に1枚撮りましょう。


「バイキングの港」
画寸 13.5 x 17.5cm 額寸 39 x 47cm

クラークさんお気に入りのノルウェーの港町「スタヴァンゲル」を描いたシンプルな作品です。ここのバイキング(海賊)人形は有名です。



「ネクサス」
画寸 49.5 x 59.5cm 額寸 76.5 x 85cm

原題“ネクサス(Nexus)”は結束、きずな、連鎖、関係といった意味のラテン語から来た言葉です。このタイトルのように、この絵はイギリス人入植者たちと新大陸のアメリカ先住民の人々が、かつて良い関係を築いていた時代の物語をイメージして描きました。16世紀後半エリザベス女王時代に、イギリス人の冒険家たちはアメリカ大陸北東部ヴァージニア地方へ新天地を求めて渡航始めました。しかし、病気などのために開拓入植は困難とされ、ことごとく失敗しイギリスに舞い戻ってきていました。ようやく1607年に3隻の小さな帆船で渡米したジョン・スミスをリーダーとするイギリス人達が、最初のイギリス植民地「ジェームズタウン」(ジェームズ王にちなんで呼ばれた)を創設しました。ジョンはある日川を渡航中、パウハタンを酋長とする先住民に捕らえられ処刑されそうになりましたが、パウハタンの娘ポカホンタスによって助けられました。ポカホンタスとジョン・スミス、彼らの悲恋物語は映画や歴史本でたいへん有名です。後にポカホンタスはイギリス人ジョン・ロルフと結婚しイギリスに移りました。彼女はわがケント州グレーブズエンドに葬られています。



「ヴィレッジ ウェディング」絶版作品
画寸 24.5 x 33.5cm 額寸 53 x 59.5cm

結婚式がちょうど終わりました。村の友人や隣人たちが音楽隊と一緒に幸せな新郎新婦を祝っています。イギリスでは、古い衣装を身にまとった煙突掃除人が結婚式に出席します。それは新婚さんに幸運を導くお客様であるという謂れからです。絵中の煙突掃除人は、新郎新婦の幸せな新生活を祈りながら、同時に自らの素晴らしい将来を夢見ているところです。さて、クラーク夫妻にとって2006年7月は素晴らしい出来事がありました。愛娘エミリーさんの結婚式です。娘への愛を込めてこの作品を制作しました。この作品のようなイギリスの田舎での結婚式、クラーク夫妻のとってさぞや楽しい一日だったことでしょう。



「ジュタロール」
画寸 49.5 x 59.5cm 額寸 76.5 x 85cm

ここは南フランスの空想上のゆかいな村。かつて私が南仏を旅し、そしてフランスの友人と暮した記憶をもとに描きました。ブドウを育ておいしいワインを造る地方です。今日は市が立つ特別の日、家で食べる食料品以外にもたくさんの品物がカフェやレストラン用として売られています。あなたも一度訪れたらすばらしいところだと思うでしょう。タイトルの“ジュタロール(Zut Alors!)”というフランス語句はちょっとした問題が起こったときに発するいろいろな意味を持つ感嘆詞です。たとえて言えば、この絵の左下部のテーブルについているかなり太っちょの紳士が“ジュタロール!”と口走りました。それは、3本も4本もワインを飲み干したのはよかったのですが、すっかり昼食の注文を出し忘れていたからです。この場合は「ちぇ!シマッタ!」こんな意味でしょうか。



「舟歌」
画寸 21 x 26cm 額寸 45.5 x 50.5cm

漁をすることもできなくなってしまった古い漁船ですが、今でも十分に役に立っています。老船乗りの、そして彼と一緒に暮す犬、猫、オウムたちの素敵な住み家でもあり、また一部は魚屋として使われていて、時に船員たちで構成する楽隊のお気に入り練習場にもなっています。イギリス大航海時代に由来する船乗りたちが口ずさむメロディーは「イギリス舟歌」として有名です。舟歌の活気にあふれた力強い音頭は、船乗りたちが帆や錨の太縄に気合を入れて引っぱる励みになります。今は穏やかな日々を送っている老船乗りたちですが、舟歌が今も歌い続けられていることに、たいへんな幸せを感じています。



「ホワイトクリスマス」
画寸 21 x 26cm 額寸 45.5 x 50.5cm

この家はまるでケント州の我が家のようです。クリスマスが近づき美しい初雪が積もりました。さあクリスマス・ツリー飾り付けの時が到来です。大きなクリスマス・スターが屋外にかけられ、みんな「星を見つめる人々(STARGAZERS)」<原タイトル>となって幸せを祈っています。この時期は大きな焚き火の前で寝そべることを、犬も特別に許してもらえます。



「平和と友情」銅版画(手彩色無し)
画寸 21 x 26cm 額寸 39 x 47cm


「PEACE & FRIENDSHIP」つまり「平和と友情」とは、五輪オリンピックの永遠のテーマです。このシンプルで誰にでも受け入れられる標語を、鳩と魚をモチーフにあえて私は銅版画にしました。今年がオリンピックの年であるからではありません。最近のイラク戦争をはじめとする世界情勢があまりに悲惨だからです。せめて「平和と友情」というこの素朴な言葉が、多くの人々に静かに語り続けることを祈ります。



ミリーの冒険物語 5部作 >

「レブレトゥ諸島」


「ブルーチェア」


「ドレーさんの家」


「ワーキング パーティー」


「ウエルクホーム」

5作品とも 画寸 30 x 25cm 額寸 56 x 50cm



「クラブリタニアン大使館」
画寸 36 x 44cm 額寸 62.5 x 70.5cm

ここはコーンウォール州最南端、リザート半島のキャドウィズという私の好きな漁村です。ここの漁師たちはクラバース(カニ漁船)を使いたくさんの海産物を獲ります。この絵のタイトルは、まさにクラブ(カニ)とブリタニアン(イギリス南部の人々)の交じり合う場所という意味で名づけました。



「フィッシャーマンズ バレエ」
画寸 9.5 x 12cm 額寸 34 x 36cm

バレーダンスの5つの基本をマスターした漁師です。




「キャプテン・ブースの幻想」
画寸 50.5 x 60.5cm 額寸 76.5 x 85cm

英国の巨匠画家ターナーの記念館が彼ゆかりの港町マーゲイトに作られる予定です。
その計画委員である私は、尊敬する彼へこの絵を捧げました。晩年人生を共にしたブース未亡人との秘話を描いています。



「オクトポリス」
画寸 50.5 x 60.5cm 額寸 76.5 x 85cm

この年の春、私たち夫婦はギリシャを小旅行しました。小船でのクルージングを満喫し、おいしいタコを味わいました。このオクトポリス(タコの町)は、その時の思い出を綴ったものです。



「キャッツ ウィスカーズ」
画寸 25 x 21cm 額寸 52.5 x 47cm

BBCの有名DJ、デスモント・キャリントン。彼の有名ラジオ番組20周年記念作品の版画制作依頼を受けました。田舎の農家を改造したファンキーなスタジオからの彼のトークが、私は大好きです。



「記念日」絶版作品
画寸 17.5 x 13.5cm 額寸 40 x 37cm


「幸せの日々」
画寸 50.5 x 60.5cm 額寸 76.5 x 85cm

英国ケント州の農村をテーマに私の作り上げた架空の村の絵です。1981年より85年まで、私はケント州の田園美観保護委員会の委員長を務めました。その理由は、これらの風景を私がこよなく愛していたからです。農家・教会・小さなお店・田舎の学校・パブ・農場・蒸気トラクター・ジプシーなど私の好きなものをたくさん入れて描きました。



「光あれ」
画寸 50.5 x 60.5cm 額寸 76.5 x 85cm

ミレニアム記念に教会のステンドグラス作りを依頼され、「天地創造」をテーマにしました。これをもとに版画も制作。遠い昔、神は昼・夜・太陽・月・星を創造し、海や陸や空に生きる生物も創造されました。まさに「光あれ」です。



「私の楽しみ」
画寸 24.5 x 33.5cm 額寸 53 x 59.5cm



「グランドホテル」
画寸 54 x 71cm 額寸 82 x 96.5cm

陽光に恵まれた南フランスにある大きなホテルの様です。今日は大変忙しい日で、宿泊客が出入りし、酒を飲んだり食事をしたりしてみんな休日を楽しんでいます。あれ、はるばるイギリスからやって来た「フィッシュ&チップス」の屋台がオープンしています。味にうるさいはずのフランス人コックたちも行列して、なかなか繁盛しているようですね。



以上、グラハム・クラーク 2000年(平成12年)以後の作品でした。